歯周病が万病のもとと言われる理由
まずは、次のチェックリストに答えてみてください。
歯周病チェックをしてみましょう!
🔲 歯肉の色が赤い、もしくはどす黒い
🔲 歯みがき時などに歯肉から出血しやすい
🔲 歯茎が腫れている
🔲 歯と歯のあいだにすき間ができてきた
🔲 歯と歯のあいだに食べ物が挟まりやすい
🔲 歯が長く伸びてきた
🔲 歯の表面を舌でさわるとザラザラする
🔲 歯がグラグラ動く
🔲 起床時に口が苦く、ネバネバして気持ち悪い
🔲 歯肉が、疲労時やストレスがかかっているときに腫れやすい
🔲 人から口臭があると言われる
いかがでしたでしょうか?
なんとこのうちの1つでも当てはまっている方は、歯周病が進行している可能性があるそうです。
歯周病とは?
歯周病は、プラーク(歯垢)内の細菌感染によって起こる炎症性の疾患のことで、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
口の中にはおよそ400〜700種類の細菌が住んでいます。
これらは普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。
これを歯垢(プラーク)と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。
この歯垢の中の細菌によって歯肉に炎症を引き起こし、やがては歯を支えている骨を溶かし、結果的に歯を失う原因となります。
歯周病ケアが大切な理由
歯周病があるということは、口の中に常に炎症が続いているということになります。
近年の研究では、その炎症で作り出される毒性物質や歯周病菌が歯肉の毛細血管を介して全身に運ばれ、様々な病気をを引き起こす原因になるということがわかってきました。
▶ 心臓・脳・血管の病気
血管内に歯周病菌を含むプラークができて血液の流れを悪化させます。
プラークが剥がれることで血管が詰まり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクが高まります。
▶糖尿病
歯周病の病巣から放出される物質が血糖値を下げるインスリンの働きを悪くし、糖尿病が悪化しやすくなるようです。
また、逆に糖尿病があると歯周組織の抵抗力や口腔内の自浄作用が低下するため、歯周病が重症化しやすくなります。
歯周病と糖尿病はとても関係の深い病気同士なんですね。
▶早産
妊娠している女性が歯周病にかかっていると、低出生体重児や早産のリスクが高くなることが分かっています。
歯周病菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に感染するのではないかと考えられています。
▶誤嚥性肺炎
細菌が食べ物や唾液と一緒に気管や肺に入ると、肺炎を起こすリスクが高まります。
特に高齢者では、誤嚥性肺炎が、死亡の原因ともなるので注意が必要です。
歯周病ケアの6つのポイント
①正しい歯磨き
丁寧なブラッシングで、しっかり汚れを落とすことが大切です。歯間ブラシやデンタルフロスもプラークの除去に有効です。うまく磨けない人は、歯科でブラッシングの指導を受けるといいかもしれませんね。
②禁煙
禁煙は免疫力を低下させ、歯周病菌の増殖を助長します。また、禁煙していると出血しにくいため、歯周病に気付くのが遅れることもあります。喫煙者は吸わない人と比べて、歯周病のリスクが2〜8倍です。
③定期的な歯科検診
かかりつけ歯科医を持ち、症状などなくても、少なくとも年に1度くらいは口腔内のチェックとクリーニングなどのプロのメンテナンスを受けましょう。歯垢は歯石になるとブラッシングでは落ちません。
④食生活の見直し
だらだら食いや間食が多いと口腔内が酸性に傾き、虫歯や歯周病ができやすくなります。甘いものや柔らかいものは歯に付着しやすいです。噛み応えのある食べ物をよく噛んで食べるのが、歯と歯茎の健康に役立ちます。
⑤抵抗力を落とさない
ストレス、過労、睡眠不足などは歯周病組織の抵抗力を弱めるので、歯周病菌が増殖します。また、自律神経の乱れを引き起こすので、唾液の分泌が減り、口腔内の自浄作用が低下する原因ともなります。
⑥口呼吸をしない
口呼吸で口腔内が乾くと、唾液による自浄能力が落ち、歯周病菌や虫歯菌などが増殖しやすい環境になります。また、細菌やウイルスが侵入しやすくなり、全身の免疫力も低下すると言われています。
歯周病は初期であればブラッシングだけでも充分に炎症を抑えることができます。少しでも気になることがあれば、早めに歯科を受診しましょう。定期的なチェックもお忘れなく。