秋になると気分が落ち込む「冬季うつ」とは?

やっと爽やかな季節がやってきました。

秋は、楽しいイベントが目白押し。

読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋などなど、いろんなことに取り組んだり、新しいことを始めるにも、とてもいい季節ですね。

その一方で、毎年この季節になるとなんとなく落ち込んだ気分になったり、気力が低下したりする人が増えるようです。

その原因の一つとして考えられるのが、日照時間の減少です。日照時間が減少すると「セロトニン」という脳内で働く神経伝達物質が作られにくくなって、その量が減ってしまいます。

セロトニンは、自律神経のバランスを整えて精神を安定させたり、気分を高める働きをしますから、その量が減ると、脳の働きが低下して、落ち込みや倦怠感などの症状が現れやすくなるんですね。

ちょっとした変化なら誰にでもあることですが、もしあなたの症状がひどい場合は、「冬季うつ」と呼ばれる季節性気分障害の可能性もあります。

冬季うつの症状とは?

通常、「うつ」と聞くと、食事が摂れないとか、眠れないなどの症状を思い浮かべますが、季節性気分障害の「冬季うつ」は、それとは正反対の症状が現れることが特徴の一つです。

▶過食・・・特に甘いものなどの炭水化物を食べたくなり、体重が増加します。

▶過眠・・・睡眠時間が長くなりがちですが、長く眠っても強い眠気に襲われたり、ずっと起きられないということがあります。

他にも、

▶気分が落ち込む(特に午前中)

▶気力がわかない、元気が出ない

▶これまで楽しんできた趣味などに興味が沸かなくなる

▶疲れがなかなか抜けずだるさが残る

▶人に会うことが億劫になる

▶焦燥感が強まる(イライラして周りのものにあたることも)

といった症状も合わせて起こり、日常生活に支障が出ることもあります。

体内時計の乱れも原因に

私たちの体には、睡眠と覚醒をコントロールする「体内時計」が備わっています。

秋の日照不足は、その体内時計の乱れも引き起こし、メンタル不調の引き金となります。体内時計の調節には、メラトニンというホルモンが関わっていますが、そのメラトニンは、朝、日光を浴びることで分泌が抑えられ、午後2時から4時くらいに再び分泌され始め、体を眠りに導きます。

そのため、日照時間が短くなると、そのリズムが乱れるので体内時計が狂い、日中の眠気の原因になるのです。

適度な運動が、メンタルにも良い影響を

秋冬のメンタル不調を予防するために有効なのは、意識して日の光に当たることです。朝起きたら、天気に関係なく、まずはカーテンを開けましょう。

もしあなたが屋内での生活が中心なら、部屋の照明をより明るいものにするだけでも効果は期待できますよ。

定期的な運動も有効です。

ウォーキングやジョギングなどの屋外での運動でしたら、日光を浴びることもできますし、生活のリズムを保つことでセロトニンも分泌されやすくなります。

なかなか外での運動をする時間がないという方は、ストレッチやヨガのようなゆったりとした呼吸で行う運動もおすすめです。

運動することで、心身のコントロールのために欠かせないドーパミンという神経伝達物質の分泌が活発になるため、落ち込んだ気持ちを回復する効果も期待できます。

食事でセロトニンを増やす方法

セロトニンは、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンを原料として作られます。トリプトファンは、肉類、卵、大豆製品、乳製品、キムチ、ナッツ類、バナナなどに多く含まれていますので、積極的に食べることで、「冬季うつ」の予防に繋がります。

トリプトファンの吸収を助けてくれる炭水化物やビタミンB6も併せて食べると、不眠、イライラを解消する効果がより期待できますよ。

冬季うつの原因として、もう一つ、「ストレス」があります。

ストレスというと悪いことが原因と思われがちですが、結婚や昇進、就職、進学といった喜ばしいことや季節の移り変わりなどの「変化」もストレスになります。

他に、年末の忘年会や混雑した中の帰省、仕事の疲れやインフルエンザなどへの感染の恐怖など、秋冬には様々なストレスがかかっています。それに、寒さそのものも人間にとっては大きなストレスですので、この時期はストレスへの対応もとても大切です。

ストレスへのセルフケアのヒント

1 体を温めよう

この季節は朝晩の気温差が大きく、体を冷やしてしまうと、自律神経が乱れ、気持ちも落ち込みやすくなります。

2 リラックスタイムを作ろう

年末はイベントが多くなります。この時期は、仕事やお子さんの行事に大忙し。こんな時は、趣味やスポーツ、おしゃべり、何もしないなど、心を休めるための自分との約束の日を先に作ってしまうのもいいかもしれません。

3 メディカルハーブを試そう

メンタルケアはハーブの得意分野。日中少しだけ時間を取って、疲れを和らげてくれるペパーミントやレモングラスを、布団に入る少し前には、気分を落ち着けてイライラを解消してくれるラベンダーやジャーマンカモミールのハーブティーを飲むなど、上手にハーブを使ってみましょう。


くるみ便りより


竹村 勝樹

くるみ薬局の薬剤師。昭和49年7月18日生まれ。蟹座のA型。奈良県出身ですが、今は山口県光市で妻と子供3人と猫2匹に囲まれながら暮らしています。趣味は読書と読書で得た知識をもとにアイデアを考えること。薬局らしくない薬局をモットーにこれからも地域の皆様に愛される薬局を目指して頑張ります。