たかがめまい、されどめまい。 〜めまい総論〜

突然襲われるめまいに悩んでいる人は少なくありません。

発症を繰り返すこともあり、ときには命に関わる病気が潜んでいることもあります。めまいにはどんな種類があり、発症にはどんな原因があるのか。

たかがめまいと安易に考えず、この機会にめまいについておさらいをしておきましょう。

めまいは女性に多い?

一生のうちにめまいを経験しない女性はいないといわれるほどの症状ですが、大きく2種類に分けることができます。

1つは「回転性めまい」。

自分自身や周囲がぐるぐる回っているように感じ、耳の異常から生じると言われています。

そしてもう1つは「浮動性めまい」。

体がフラフラしたり、ぐらついたりする症状で、耳以外が原因の可能性があると言われることがありますが、実際にはめまいの症状だけではその原因は特定できないようです。

また、女性だけでなく、男性の中にもめまいに悩まされている方は増えつつあるようです。

原因は様々

めまいの元になっているのは、加齢やストレス、運動不足などで、特に40代以上の女性は要注意です。

そしてめまいの原因の7割は耳です。

ですが、他にも脳の病気や神経、血液、心臓の異常がめまいの原因になっていることもありますから、最近めまいが起こりやすいなと感じたら、自己判断せず、まずは耳鼻科の先生に原因をきちんと見つけてもらうのがおすすめです。

めまいの春夏秋冬

めまいの症状はすぐに治る軽いものから、日常生活に支障が出てしまう重いものまで様々です。つらいめまいの症状ですが、その中でも悪化しやすい時期には要注意です。

初夏〜秋

この季節は、梅雨、台風、秋雨前線と雨が降りやすい時期です。

この時期は気圧が下がりますが、低気圧が続くと耳が悪影響を受けてしまいます。 

耳(内耳)には三半規管というリンパ液に満たされた場所があり、体が動くとリンパ液も揺れます。

リンパ液の揺れ=体の揺れを意味するのですが、気圧の影響を受けると体が揺れていなくてもリンパ液が揺れてしまいます。 

人のからだは、「耳からの情報」・「目からの情報」・「筋肉からの情報」の3つを脳が総合的に判断してバランスを保っています。

しかし、このバランスが崩れた時、私たちの脳はパニック状態に陥ってしまいます。 

つまり、気圧の変化は誤った情報を脳に伝える要因となり、それがめまいの発症につながるんですね。

冬のめまいの原因は血流の悪化です。

冬の寒さは血管を収縮させてしまうため、酸素と栄養を運んでいる血液の流れを悪化させてしまいます。

特に脳や耳への血流不足が冬のめまいの原因です。

脳や耳は平衡感覚に大きく関与していますから、どちらに血液が不足しても、その機能が十分発揮できなくなる可能性があります。

血流不足により脳や耳の機能が低下してしまうと、体がバランスを取れなくなり、めまいが生じやすくなります。 

季節の変わり目

春から夏、夏から秋へと季節が移り変わる時期は、気温差が非常に大きくなります。気温の変化は自律神経に大きな負担をかけます。

自律神経とは、「交感神経」と「副交感神経」の2つを指します。

この2つの神経は、相反する働きをしてバランスをとり、からだを適切な状態に保ってくれます。 

もちろん、季節の変わり目にも自律神経は気温の変化に合わせようと、いつも通り頑張ってくれますが、負担が大きくなるにつれ、自律神経のバランスが乱れてしまいます。

その結果、めまいをはじめ様々な不調につながる原因となってしまいます。 

めまいが起こったら・・・

めまいは、40代以上の女性に起こりやすいとか、季節の変わり目に起こりやすいなどの傾向はありますが、実際はいつどなたにでも起こる可能性があります。

めまいは何度も繰り返すうちに発症頻度が増加する傾向があるので、我慢は禁物です。めまいが起こったら、まずは身体を休めましょう。

ハードな仕事もちょっと休憩して、十分な睡眠と栄養バランスの良い食事を摂るなど、健康に気遣うことが何より大切です。

めまいが起こっても、じっとしていたら良くなったという経験がある方でも、めまい症状が週に2〜3回も起こるようであれば、耳鼻科を受診してきちんと診てもらってくださいね。

めまいと向き合おう

めまいの病気として良く知られているのが、良性発作性頭位めまい症とメニエール病です。

この2つは、原因も治療方法も違います。

その他のめまいも、専門の医師にきちんと診断してもらうことで、治すことができる場合が多くあります。

もう治らないかもと諦めず、めまいのことをよく知り、心に余裕を持つことで、めまいをうまくコントロールできるようになるかもしれません。

くるみ便りより

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竹村 勝樹

くるみ薬局の薬剤師。蟹座のA型。奈良県出身ですが、今は山口県光市で妻と子供3人と猫2匹に囲まれながら暮らしています。趣味は読書と読書で得た知識をもとにアイデアを考えること。薬局らしくない薬局をモットーにこれからも地域の皆様に愛される薬局を目指して頑張ります。