結局、ウイルスって何?
〜感染症の基礎知識〜
with コロナ
日本で新型コロナウイルス感染症の第1号が確認されたのが、今年の1月16日。
それからすでに9ヶ月が経とうとしています。
当時、まさか今のような事態になろうとは、ほとんどの人が予想だにしていなかったと思います。
そして、これからはコロナウイルスと共存していく時代になりそうですね。
新型コロナウイルスは新しいウイルスのように思われがちですが、感染の仕組みや予防方法は通常の風邪やインフルエンザと変わりありません。
感染症とは、細菌やウイルス、カビ(真菌)、寄生虫などの病原体が体に侵入して増殖し、症状の出る病気のことをいいます。
それぞれに特徴があり、ウイルスと細菌もその特徴は異なります。
細菌とウイルスの違い
細菌は、細胞壁と細胞膜を持つ単細胞生物で、栄養源さえあればどこでも自分で増えることができます。
一方、ウイルスは細胞を持たず、タンパク質の殻の中に遺伝子が入っただけのとても単純な構造です。
ウイルスは、自力では増えることができません。
他の細胞に入り込み、その細胞の持っている増殖する力を利用して増えていきます。
そしてこの違いが、ウイルス感染症の治療を難しくしている原因の一つです。
細菌を直接攻撃し退治する抗生物質のように、ウイルスを直接退治する薬は、今のところ特殊なものを除いてほとんどありません。
ウイルスから身を守る方法
では、ウイルスから身を守るにはどうすれば良いのでしょうか?
これには、明確な答えがあります。
それは、予防と免疫力です。
「なんだそんなこと知ってるよ。」
と思われた方も多いでしょう。
しかし、特効薬がない以上、今の段階ではこれしかありません。
「かからない」「うつさない」「重症化させない」ための正しい対策を実践することが大切です。
ウイルスにも種類がある?
詳しい言葉の意味はここでは触れませんが、新型コロナウイルスは、RNAウイルスでエンベロープという脂質でできた膜に包まれた構造をしています。
これは、インフルエンザウイルスと同じで比較的予防しやすいウイルスです。
流水や熱(約80度以上)、各種消毒液でウイルスを除去することが可能です。
ちなみにノロウイルス にはエンベロープがないため、一般的なアルコール消毒では除去できません。
ウイルス感染症と人類の戦いの歴史は古く、エジプトのミイラでさえウイルス感染した痕が見つかっているほどです。
まずはワクチンや治療薬の開発が待たれますが、まだもうしばらく時間がかかりそうです。
この冬は特にしっかりと感染予防をし、みんなで協力してコロナ禍を乗り越えていきましょう。
くるみ便りより