~ある調剤薬局での患者さまと薬剤師の会話(電話編)~
トゥルルルル・・・ トウルルルル・・・
ガチャ
薬剤師 「はい、○○薬局 薬剤師の××です!」
患者様 「△△の母ですが、ちょっとご相談あるのですが…」
薬剤師 「はい、どうぞ。どういったことでしょう?」
患者様 「今日いただいた子供の薬のことなんです。どのように保管すればいいですか?」
薬剤師 「すいません。保管方法をお伝えしておりませんでした。まず、サンザイですが、これは湿度と光に弱いので、シャコウして保管してください。ミッペイした容器の中に入れていただくとさらに良いです。」
患者様 「冷蔵庫に入れた方がいいでしょうか・・・」
薬剤師 「いえ、冷蔵庫に入れる必要はありませんが、できれば、ジョウオンのほうがいいですね。」
患者様 「ジョウオンですか・・・??」
薬剤師 「はい。それと、もう一つののみ薬は、特に保管場所は気にする必要はありません。シツオンであれば特に問題ないです。」
患者様 「・・・わかりました・・・」
薬剤師 「あと、スイザイもありましたね。これは、レイショでの保管が必要です。冷蔵庫が最適ですね。ミップウした容器に入れてお渡ししていますが、のみ忘れなどがあって万が一残っても1週間以上経ったらハイキしてください。」
患者様 「・・・ありがとうございました。それともう一ついいですか?」
薬剤師 「どうぞ。」
患者様 「この粉薬の副作用にはどんなものがありますか?」
薬剤師 「今日お渡しした粉薬は、3つのお薬を混ぜています。どれもジュウトクな副作用は報告されていませんが、オシン、オウト、コウカツ、コウハンなどがよく知られています。それとどの薬でもそうですが、お体に合わない場合、ホッシンやソウヨウカンが現れることがありますので、その時はすぐにお知らせくださいね。」
患者様 「・・・あ、ありがとうございました。・・・」
今回は、応用編です。
お電話でのお問い合わせの時は、実際に薬局でお薬の説明をする時よりも言葉の選択に気を使います。きちんとご理解いただけなければ、伝えてないのと同じことだと昔どこかの偉い先生に言われたのを思い出します。
ただ、思わず出てしまうことがあるんですね。
その時は、「薬剤師さんその言葉の意味わかりません。」と言っていただくか、こちらの用語集でお調べください。
基礎編よりは、あまり馴染みがない、または耳にすることが少ない用語もあると思いますが、このページを【お気に入り】に入れておいていただければいざというときに役に立つ??かもしれません。
くすりの用語集(応用編)
用語 | 読み | 意味 | ||||
あ | … | 嘔吐 | オウト |
食べたものを吐き出すことです。 |
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悪心 | オシン | 気持ちが悪くて吐きそうな感じのことです。 | ||||
か | … | 口渇 | コウカツ | 口の中やのどが激しくかわき、水分をほしがる状態のことです。薬の副作用だけでなく、加齢や脱水、そのほかの病気でも起こることがあります。 | ||
紅斑 | コウハン | 血管の拡張によって皮膚の限られた部分が赤くなった状態のことです。多くは炎症が関係しています。 | ||||
さ | … | 散剤 | サンザイ | 粉薬のことです。 | ||
室温 | シツオン | 1℃~30℃です。最近は、夏暑いので用語との違いが見られますが、今のところこの定義です。坐薬の中には室温保存でもいいものがありますが、夏場は冷蔵庫に保存した方がよいかもしれません。ただし、冷蔵庫で保管してはいけない薬もまれにありますのでご注意を。また、上限の30℃はあくまで目安です。車の中など一時的にでもかなりの高温になる場所は別にして、屋内の直射日光が当たらない場所であれば30℃を超えても薬は保管できると考えられます。 | ||||
遮光 | シャコウ | 光を遮ること。薬は光に弱いものも多く、保管する場合は、基本的には光の当たりにくい場所を選ぶとよいです。具体的には、缶の中や引き出しの中です。ただし、お菓子の缶は要注意です。お子様がお菓子と間違えてのんでしまうかもしれないのでお子様の手の届かない場所で保管してください。 | ||||
重篤 | ジュウトク | 病状が非常に重いことです。副作用の場合、最も気を付けないといけません。 | ||||
常温 | ジョウオン | 15℃~25℃です。夏場、人のいない状態の家屋の中は常温ではありません。また、冷蔵庫の中も常温ではありません。 | ||||
相互作用 | ソウゴサヨウ | 複数のお薬を同時にのんだり使ったりした場合、それぞれが影響を及ぼし合うことです。相互作用のあるお薬同士は、その作用の程度によって併用禁忌と併用注意があります。 | ||||
掻痒感 | ソウヨウカン | かゆみのことです。 | ||||
た | … | ‐ | – | – | ||
な | … | – | – | – | ||
は | … | 廃棄 | ハイキ | 薬を捨てることです。家庭ごみとして捨てられるものがほとんどですが、自治体によって違いますので一概には言えません。どうすればいいのかわからないときはお薬を調剤してもらった薬局に相談してみてください。また、インスリンの注射針は、廃棄方法が決まっています。家庭ゴミとして出せる場いいもありますが、その場合もルールがあるので注意してください。また、医療機関や薬局で回収することもありますのでかかりつけの医師または薬剤師にご相談ください。 | ||
発汗 | ハッカン | 汗をかくことです。薬の副作用で以上に汗をかくこともあります。 | ||||
併用 | ヘイヨウ | 薬を同時、または同時期にのむことです。くすりは、のむ時間を数時間程度変えても悪い影響を及ぼすことがあります。現在飲んでいる薬、または、常備薬として持っていて症状があるときだけのむ薬についても医師・薬剤師に必ずお伝えください。また、湿布や目薬などの外用薬の中にもある種ののみ薬と同時に使わない方がよいものもありますので注意が必要です。 | ||||
併用禁忌 | ヘイヨウキンキ | 同時にのんだり使ったりすることで、重大な副作用を起こしうる薬の組み合わせのことです。同時に使用することは、極めてまれです。 | ||||
併用注意 | ヘイヨウチュウイ |
同時にのんだり使ったりすることで、それぞれ影響を与える可能性のある薬の組み合わせのことです。一般的に同時に使用することは避けます。ただし、医師の判断で同時に服用することはよくありますので、併用注意同士のお薬だからといって自己判断で中止せず、医師・薬剤師に相談してください。 |
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発疹 | ホッシン | 皮膚にできる病的な変化のことです。いろいろな部位に様々な色や形で出るもので、原因は様々あります。ほぼすべての薬の副作用として報告されています。 | ||||
ま | … | 密封 | ミップウ | 日常の取り扱いや通常の保存状態で、気体または微生物が入る恐れがないということです。密閉よりももっとしっかり外気から遮断されている状態です。 | ||
密閉 | ミッペイ | 日常の取り扱いや通常の保存状態で、固形の異物が入らないということです。気体は入る可能性があります。紙箱でもOKです。 | ||||
や | … | – | – | – | ||
ら | … | 冷暗所 | レイアンショ | 1℃~15℃でかつ光の当たらない場所のことです。通常は冷蔵庫での保管ということになりますが、もちろん冬場で、室温が上がりにくい場所であれば冷蔵庫でなくても大丈夫です。 | ||
冷所 | レイショ | 1℃~15℃です。一般的には冷蔵庫での保管が最適です。ただし、冷凍庫(レイトウコ)ではありませんので注意してください。 | ||||
わ | … | – | – | – |