From 竹村勝樹

くるみ薬局にて

先日、自宅でこんなことがありました。

4歳の娘が、8歳のお姉ちゃんと一緒に
僕の奥さんが以前使っていたiPhone6 plus で
楽しげにYoutube動画を見ていました。

そこに僕が仕事から帰りました。

あら、ななちゃん(4歳の娘)のほっぺが赤いな。
っと思ったんですが、ちょっと厚手のパジャマを着ていたので
そのせいだろうと思って気にもとめていませんでした。

そして、夕食を済ませ、お風呂に入り
そろそろ子供達が寝ようとして
2階に上がって来た時、

「わっ、ほっぺた真っ赤やんか!!」

ななちゃんのほっぺが本当にリンゴのように真っ赤っかに
なっていたんです!

りんご病?

そして、上唇も真っ赤に腫れ上がっています.
なんじゃこりゃ!?

ななちゃんの体に触れた途端、

あちっ!

めっちゃ熱出てるやん。

なんと39度1分。
でも、本人は、ケロッとしています。

どうしたん?
なんでお父さんとお母さんは焦ってるの?

と、まるで他人事です。

さあ、夜の9時30分・・・

あなたならどうしますか?

一応、僕も薬剤師。
こういう時のことは、勉強しているつもりです。

そこで、頭の中でこう考えました・・・

その時僕が考えていたこと・・・

熱は、だいぶ高いな。
ほっぺが赤いのは、本当にりんご病?
でも、流行っているとは聞いていないな。
それとも、ただ熱が出ていてそのせいで赤いだけ?

上唇の腫れは、ただ単に乾燥して荒れているのか、
それともこれも熱と関係あるんかな?

何れにしても
本人がぐったりしていないし、
さっきまでYoutube見れるくらい元気やったし、
鼻水も喉の痛みもなさそうやし、

すぐに病院に行くほどでもないな。

じゃー、熱だけは下げようか?

いや待てよ、本人が全然えらそうじゃないし、
下げると余計に体調が悪化するかもしれないな。

よし、このまま眠れそうなら
熱冷ましも飲まさないでおこう。

と、こんな感じで、結局、薬も飲まさず、救急にもかからず、
そのまま寝かせました。

幸いにも、ななちゃんはそのまますんなり寝てくれて
次の朝には、ほっぺの赤みも元に戻り、
昨日の夜はなんだったんだというくらい熱も下がって
ホッとしたのでした。

(上唇の腫れは、多分ヘルペスです。
それも治りかけ。
子供の治癒能力は本当にすごい。
僕だったら10日くらいかかって治るのに
3日くらいでヘルペスも完治です^_^)

まあ、これは、たまたまよかった例です。
病状によっては、すぐに病院に行った方が良い場合もありますので、
いつもこのようにすればいいということではありません。

それでは、

病院に行った方がいい「分岐点」は?

あなたやあなたのご家族の具合が悪くなった時、
どういう場合に

「病院に行こう」

と決めるでしょうか?

これは、それぞれの価値観がありますので、
なかなか線引きは難しいとこですよね。

でも、この「分岐点」を正しく判断できると
病院にかかった時に長時間待って、時間を浪費する必要がなく、
新たな感染症をもらってしまうなどの
デメリットを回避でき、
賢く病院や薬局にかかることができますよね。

風邪かなと思った時の「分岐点」

実は、目に見える症状だけで
その疾患が何なのか?、この症状はこの後どうなるのか?
ということを完璧に予測するのは、
医師にかかったとしても100%大丈夫ということはありません。

もちろん、どんな疾患であれ医師の説明が欲しい場合は、
遠慮せず病院を受診すると良いでしょう。

しかし、最低限、あなた自身で病院にかかるか否かを判断したいと
考えるならまずはセルフケアについてあなたが学び
経験を深め、理解して行くことはとても大きなことと言えるでしょう。

では、どうしたら良いか?

いろんな疾患や症状がありますが、
まずは、風邪の場合について考えてみましょう。

1.風邪の3症状をチェックしよう。

  • 「せき」「鼻水」「喉の痛み」の3つの症状が、
  • 「数日経過した時」に
  • 「同じくらいの程度」である

これらの症状のうち初日は2つの症状があり、
24〜48時間くらいで3症状揃ってきて
特に鼻水が強い時はいわゆる風邪の可能性が高いです。

さらに熱が38度以下の微熱であれば、さらに風邪の可能性が高まります。

このようないわゆる風邪だなという時は、
ウイルス性のことが多いですね。

その場合は、
安静にして水分をこまめに取り、食事をしっかりとって、
症状が強ければ、市販の風邪クスリを短期間飲めば、
数日で症状は楽になります。

2.レッドフラッグサイン(危険な兆候)

レッドフラッグサインとは「危険な兆候」の事です。
いわゆるセルフケアでは治せない、重篤な疾患を疑う「気づき」
の事ですね。

家庭でのセルフケアでは、
このレッドサインを見逃さないことが大切です。

そのためには十分な知識が必要です。
しかし、ここでいう知識は、
医師の専門的な病気の知識のことではありません。

セルフケアでは、

「病院を早めに受診した方が良い兆候」

と考えれば良いでしょう。

レッドフラッグサインのチェックリスト

次のうち

「1つでも」

レッドフラッグサインがあれば受診した方が良いでしょう。

  1. 38度以上の熱が数日続く
  2. 水分・食事がとれない
  3. 肺気腫など肺の病気がある人、心臓の病気がある人で38℃近い熱があるとき、もしくは微熱だが寝汗をびっしょりかく場合(高血圧のみは除く)
  4. 10日間以上咳が続くとき
  5. 咳が強く胸が痛む、呼吸が苦しい、血痰が出る
  6. 喉が痛く食事がとれない、口が開けにくい

普通の風邪の場合は、
数日以内にウイルスの量がピークになり、
そのあとはどんどん減って行くので
症状もすぐに軽くなります。

しかし、
3日以上続く38度以上の熱、
喉が腫れて唾や食事が飲み込めない、
もともと重い病気を患っている、
咳が半端なく長引く、

というような症状が続く時は、
細菌感染症がないか、きちんと病院で確認してもらい、
相応の治療を受ける必要があります。

分からない時は、かかりつけ薬剤師に聞くと便利

もちろん、知識がない状態での
自己判断は禁物です。

しかし「ちょっと体調が悪いから、まあ病院行ってみよか」

ではなく、ひとまず自宅で経過を見てみようかと
自分で判断する、セルフケアという考え方を
ぜひあなたも身につけてみてください。

そして、あなたが気軽に質問できる

かかりつけ薬剤師を持てば、

判断に迷った時はいつでも強い味方になってくれるので
悩んで時間を無駄にしたり、必要のない病院への受診で無駄な出費をしてしまうことがありませんよ。

もし、下松周辺にお住まいならくるみ薬局にいつでもお問い合わせください。


竹村 勝樹

くるみ薬局の薬剤師。蟹座のA型。奈良県出身ですが、今は山口県光市で妻と子供3人と猫2匹に囲まれながら暮らしています。趣味は読書と読書で得た知識をもとにアイデアを考えること。薬局らしくない薬局をモットーにこれからも地域の皆様に愛される薬局を目指して頑張ります。