From:竹村

くるみ薬局にて

先日、家族旅行に行った時のこと。

僕が今読んでいる本に「思考は現実化する」(ナポレオンヒル著)というのがあります。
その本の内容には今回は触れませんが、
この題名を思い起こさせることがその旅行でありました。

山口県民のあなたならよく知っていると思いますが、
長門市に元乃隅稲荷神社(もとのすみいなり)という神社があります。

最近、外国の方にとても人気のあるスポットらしく、
よくテレビでも取り上げられています。
実際に外国人の方をたくさん見かけました。

その神社には、玄関ドアくらいの大きさの朱色の鳥居が100メートに渡り
123本も並べられていてその中を歩いてくぐれるようになっています。

その光景は幻想的でとてもよかったんですが、
僕たち家族が行ったのは真冬だったので
風がすごく、めちゃくちゃ寒かったです。

やっぱり日本海の海は全然違いますね。
いつも瀬戸内海のゆるーい海を見ている僕にとって
あの荒波はなかなか刺激的でした。

そんな結構有名な神社なんですが、
そこの賽銭箱がまた変わったところにあります。

なんと5mくらいの高さの鳥居の上部に
賽銭箱が設置されていて、そこに小銭を投げ入れるんです。

まあ、入ればご利益があるということなんですが、
これが結構高いところに。

僕はバスケットボールが趣味で週1回やっているんですが、
そんな僕でも

「えっ、これ入らんやろ」

というのが第一印象でした。

とはいえ、子供達の前なので
そうとは言えず、何回か挑戦すると5回目くらいで入ってくれました。

「よかった〜、これで父親の威厳が保てたな」

本当にホッとしました。
そして、僕に続けて11歳のお兄ちゃんも案外簡単に入れました。

その時、、、

どきっとしました。
真ん中のお姉ちゃんの顔・・・

あっちゃ〜

完全にひきつってます。。。

「やばっ、これ入るまでやるな」

僕の嫌な予感は的中しました。

その後、何回も無言で空をめがけて10円玉を投げ続けるお姉ちゃんの姿・・・
負けん気が強いというか、自分だけが入らないのは嫌だという気持ちがその動作ににじみ出ています。

他の観光客に混じって
何度も何度も繰り返しています。

「ももちゃんそろそろ終わろうか」

「・・・、チャリーン」

完全無視。

小銭がコンクリートに打ち付けられる音がその全てを物語っています。

家族も他の観光客の人達も
そんな小学3年生の姿を少し哀れな気持ちで見ていました。

何回投げたでしょう。
だんだん周りが暗くなってきました。
観光客も徐々に減っていきます。

奥さんと顔を見合わせて
無理矢理でも車に連れて行こうかと相談しようとした瞬間・・・

・・・とん、ザクッ。

入りました!
もう数えていなかったので何回目かはわかりませんが、小銭がゆっくりと賽銭箱に吸い込まれて行ってくれました。

「やったー」

本人以上に家族みんなが大喜び。

やっと帰れる・・・
とは言わず、

「すごいな、ももちゃん、やったなあ、神様おるなあ」

心の底から「神様ありがとう」と思ったその時でした。

キリッとした顔のお姉ちゃんの口から発せられた言葉に、
僕はハッとさせられました。

「最後に投げる前にこれは絶対に入るって頭の中で考えたんよ。」

もちろん、
狙って入れたわけではないし、
本人にその技量があったわけでもありません。
ましてや神様が入れてくれたわけでもないでしょう。
小銭が賽銭箱に入ったのは偶然だと思います。

でも、自分にはできるんだと信じて実現するまでやり続ける。
その気持ちが、最終的に小銭を賽銭箱に導いたということは間違いない事実です。

途中で諦めたり、どうせできないやろうなとやらなかったりすることに
慣れてしまっていた僕の胸に、お姉ちゃんの言葉はグサリと突き刺さりました。

幸いにも挑戦した3人全てが、小銭を賽銭箱に入れることができたので、
帰りの車の中は、平和そのものでした。

そして、その旅行から帰ってきて
やろうかどうか迷っていたメルマガとブログを始めようと
心に誓ったのは言うまでもありません。

結局、思考が現実化する(ナポレオンヒル著)為には、
自分の思考が現実化するのを待っているのではなく
自分自身が自分の思考を現実化させる為に行動し、
諦めずできるまでやり抜くことが最も大切なのかもしれません。


竹村 勝樹

くるみ薬局の薬剤師。蟹座のA型。奈良県出身ですが、今は山口県光市で妻と子供3人と猫2匹に囲まれながら暮らしています。趣味は読書と読書で得た知識をもとにアイデアを考えること。薬局らしくない薬局をモットーにこれからも地域の皆様に愛される薬局を目指して頑張ります。