お酒のはなし
これから年末年始にかけてお酒を飲む機会が増えますね。
そこで今月は、アルコールについてまとめました。お酒と上手に付き合っていきましょう。
適量ってどのくらい?
厚生労働省のガイドラインによると、生活習慣病のリスクを高める飲酒量(1日あたりの平均純アルコール摂取量)は、男性では40g以上、女性では20g以上としています。
酒類に含まれる純アルコール量 = 飲酒量(㎖)×(度数/100)×0.8(アルコール比重)
例)5%のビール500㎖に含まれる純アルコール量は…
500×0.05×0.8=20g
純アルコール量20gとは?
▷ ビール(5%)500㎖
▷ 焼酎(25%)約110㎖
▷ 日本酒(15%)180㎖
▷ ワイン(14%)約180㎖
▷ ウイスキー(43%)60㎖
▷ チューハイ(5%)500㎖ (7%)約350㎖
アルコールの吸収と分解
口から入ったアルコールは、約20%が胃で、残りは小腸で吸収されて血液に溶け込み、肝臓へ送られます。
肝臓でアルコールはアセトアルデヒドという有害物質を経て、無害な酢酸に分解されます。
アセトアルデヒドはお酒を飲んだときに顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛などの原因となる物質です。
酢酸は血液によって全身をめぐり、水と炭酸ガスに分解されて体外に排出されます。
また、摂取したアルコールの一部は、そのままのかたちで呼気、汗、尿として体外に排出されます。
体重が約60kgの人が500㎖のビール(アルコール含有量20g)を分解するには、約3〜4時間かかるそうです。ただし、個人差があるため、体質的にお酒に弱い人や女性は、もっと時間がかかります。
酒は百薬の長?
高血圧や男性の胃がんと食道がん、女性の出血性脳卒中などの場合は、たとえ少量であっても飲酒自体が発症リスクを上げてしまうという結果を示した研究があります。
日本における、疾病ごとの発症リスクが上がる飲酒量(純アルコール量)については、厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」に、参考になる表が掲載されています。
酒は百薬の長?
①自分の飲酒状況を把握する
飲酒問題の早期発見等のために、10項目の簡易な質問でアルコール関連の重症度の測定を行う、AUDITというスクリーニングテストがあります。インターネットで検索すると簡単にできます。
②量を決めて飲酒する
自ら飲む量を定めることで、過度な飲酒を避けるなど、飲酒行動の改善につながると言われています。純アルコール量の表を参考にして決めるといいですね。
③飲酒前や飲酒中に食事をとる
お酒に酔いにくくする効果があります。魚介類、チーズ、ナッツ類のおつまみがおすすめです。
④薄めて(チェイサー)
飲酒の合間に水や炭酸水を飲んで、アルコールをゆっくり分解・吸収できるようにする。ノンアルコール飲料もおすすめです。
⑤休肝日を作る(週に2日程度)
毎日継続して飲酒する習慣を避ける。
すでに生活習慣病などで、医師からお酒について指導されている方は、その指示に従いましょう。