秋なのに花粉症??

秋に鼻水やくしゃみが出ると、スギ花粉が飛ぶ時期ではないから風邪かな?と思いますよね。

しかしその症状、アレルギーが原因かもしれません。
実は秋も、アレルギー症状を引き起こす原因となる花粉やハウスダストに注意が必要です。

秋の花粉症の原因となる主な植物は、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラです。

これらの花粉は、8月から10月にかけて飛散します。遠くに花粉を飛ばすスギなどと比べると、秋の花粉症の原因となる雑草は背丈が低く、花粉の飛散距離は数十から数百メートルと言われています。

ブタクサとセイタカアワダチソウ

秋になると見かける、背の高い黄色い花。

以前は、このセイタカアワダチソウが花粉症の原因とされていましたが、この植物は花粉を虫に運んでもらうため(「虫媒花」というそうです)、花粉を飛ばさないそうです。

アレルギーの原因にはなりにくいです。

一方、同じキク科のブタクサは、風で花粉を飛ばして受粉するので(「風媒花」というそうです)、大量に花粉を発生させます。

ちなみに、日本で最初に報告された花粉症は、ブタクサ花粉症なんだそうです。

対策

秋の花粉症の原因となる植物は、スギ花粉のように遠くには飛ばないので、その植物に近づかないことが一番の対策です。公園や河川敷、道端、庭などの身近な所に生えていることが多いので、普段歩く所に生えている場合は、ルートを変えることを検討しましょう。

その他の対策としては、春のスギ花粉症と同じになりますが、マスクや眼鏡などで花粉が体内に入らないようにする、家に入る前に衣服に付いた花粉を落とすなどがあります。

ハウスダスト

花粉以外にアレルギー症状を引き起こす原因となるものの中に、ハウスダストがあります。ハウスダストとは、室内にたまるホコリのことで、ダニの死骸、フン、カビ、ペットのフケなどが含まれています。

ハウスダストは1年中ありますが、中でもダニは、6〜8月の高温多湿の環境で繁殖し、秋に涼しくなると死んでしまいます。

このため、秋はダニの死骸やフンなどが増加します。秋の衣替えは、窓を開けて換気をしながら、マスクを付けて行うといいかもしれませんね。

対策

基本は掃除と洗濯です。

ハウスダストは人の動きによって舞い上がるため、朝や外出から帰ってきた直後の、床にたまったタイミングで、床クリーナーやモップで静かにハウスダストを取り除きましょう。乾拭き、掃除機、水拭きの順番がおすすめです。

ダニが発生しやすい布団やカーペットなどは丸洗いするのが効果的です。天日干しの後で念入りに掃除機をかけるのも、ある程度の効果があります。

空気清浄機の活用、温度と湿度を管理してダニやカビの発生を防ぐことなどもハウスダスト対策として重要です。

アレルギー症状が辛いときには、受診して原因を明らかにすることで、適切な対策がとれます。

アレルギー症状を和らげたり、根本から起こしにくくする免疫療法もあるので、気になる方は耳鼻科などで相談してみてくださいね。

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竹村 勝樹

くるみ薬局の薬剤師。蟹座のA型。奈良県出身ですが、今は山口県光市で妻と子供3人と猫2匹に囲まれながら暮らしています。趣味は読書と読書で得た知識をもとにアイデアを考えること。薬局らしくない薬局をモットーにこれからも地域の皆様に愛される薬局を目指して頑張ります。