新茶の季節です
「夏も近づく八十八夜〜♪」で始まる茶摘みの歌をご存じですか?
八十八夜は雑節の一つで、立春(2024年は2月3日)を1日目と数えて88日目、今年は5月1日が八十八夜です。
雑節とは、日本の季節の移り変わりを分かりやすくする指標として作られた、日本独自の暦です。
おもに農作業を行う人々の経験や知識から生まれているようです。
八十八夜の他には、節分、彼岸、社日、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日があります。
八十八夜とは
「八十八夜の別れ霜」といって、農作物に被害を与える遅霜の心配が減り、気候も安定するため、八十八夜は「農作業を本格的に始める日」の目安とされてきました。
田植え、野菜の種まき、苗の植え付け、茶摘みなどはこの日を待って始められていました。
八十八夜に摘んだお茶は縁起物
八の字は末広がりで縁起が良く、その八が重なる八十八夜はさらに縁起が良いとされてきました。
八十八夜に摘まれたお茶を飲むと、一年間無病息災でいられる縁起物とされてきました。
緑茶はチャノキの葉(茶葉)を摘み、加工したものです。
育成・加工の違いなどによって、煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶などに分かれます。
お茶の中でも、その年の最初に芽吹いたチャノキのやわらかい新芽を摘んで加工したものが「新茶(一番茶)」です。
お茶の葉は、1年に3〜5回の収穫が可能です。
中でも最初に収穫される「新茶」が最も美味しいとされています。
冬の間にじっくり養分を蓄えたお茶の木から、春に出てくる緑の新芽が新茶(一番茶)になります。
新茶は二番茶などと比べて、カテキン(渋み成分)が少なく、テアニン(旨味成分)が豊富に含まれているそうです。
緑茶の成分
カフェイン
覚醒作用、集中力の向上、疲労回復、利尿作用、体脂肪燃焼の促進などの効果があるとされています。
カテキン
ポリフェノールの一種で、昔からタンニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分です。
血中コレステロールの低下、体脂肪低下作用、虫歯予防、抗菌作用などがあるとされています。
テアニン
アミノ酸の一種で、お茶の木だけに含まれる成分です。緑茶に含まれるアミノ酸の半分以上がテアニンです。
アミノ酸はお茶の旨味に寄与する成分です。
テアニンには、リラックス効果もあるとされています。
日本茶の三大産地
①静岡県
②鹿児島県
③三重県
静岡県は日本茶の生産量が全国第1位。
令和5年の年間生産量はおよそ27,200tです。
2位の鹿児島県は約26,100t、3位の三重県は約5,220tで、静岡県と鹿児島県を合わせただけでも国内生産量のおよそ7割を占めます。
日本茶の三大銘茶
①静岡茶
②宇治茶(京都)
③狭山茶(埼玉)
「色は静岡 香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす」これは、日本で古くから歌い継がれている歌です。
個人的には、九州のお茶…福岡の八女茶、佐賀の嬉野茶、鹿児島の知覧茶なども美味しいと思います😄
お茶の美味しい入れ方
①お湯を人数分の湯のみにつぎます(お湯の分量を量り、お湯を冷まし、湯のみを温めるため)
②茶葉の量を1人あたり2〜3g(ティースプーン1杯程度)量り、急須に入れます。
③あらかじめついでおいた湯のみのお湯をゆっくり急須に注ぎ、その後約1分、お茶の葉が開くまで静かに待ち、湯のみに均等につぎ分けます。最後の1滴まで注ぎきってください。
※つぎ始めは薄く、後になるほど濃くなるので、お茶の濃さが一定になるように「廻しつぎ」します。(湯のみが3つの場合、1→2→3→3→2→1の順に繰り返してつぐこと)
これからの季節は水出し、氷出しのお茶もおすすめです。温度が低いとお茶の苦みや渋みが出にくくなり、甘みや旨味のあるお茶になります。
様々な入れ方で、お茶の味わいの変化を楽しんでみましょう!