ストレスとどう向き合うか?
コロナが繰り返し拡大する中、2021年のストレスに関するある調査では、「ストレスをよく感じる」と答えた人は、コロナ前の2019年と比べると約2倍に増えています。
性別で見ると女性の方がストレスを感じやすく、コロナ前と比べると特に30代、40代は、その数値が大幅に増えているそうです。
そもそもストレスって何?
「ストレス」という言葉は、もともと物理学の分野で使用されていたもので、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。
外部からの刺激のことをストレッサーと呼ぶのですが、ストレッサーは、不安や悩みなど心理的な要因だけではありません。
例えば、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。
つまり、日常の中で起こる様々な変化が、ストレスの原因になるのです。それに、進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事でも、変化であり刺激ですから、ストレスの原因になることがあるんですね。
人生に必要な良いストレス
ストレスと聞くと、あまりいいイメージは湧きませんが、実はそうでもありません。
人は、「適度なストレス(緊張感)」があるからこそ、それに適応するための能力が生まれ、ストレスを乗り越えようと頑張ることで、成長することができます。
良いストレスは人生の張りや生き甲斐という意味では、必要なストレスです。
ただし、そのストレスもその人の許容範囲を超えてしまうと、心身に悪影響を及ぼす「悪いストレス」となります。
ストレスへの反応は人それぞれ
ストレッサーがあると、その結果、ストレス反応が起こります。ストレス反応には、心、体、行動のどこかに出ることがほとんどです。
✅心への反応:集中力の低下、落ち込み、不安、イライラなど
✅体への反応:発汗、動悸、頻脈、胃腸症状、肩こり、めまい、不眠など
✅行動への反応:仕事のミス、引きこもり、飲酒・買い物依存など
とはいえ、ストレスがあるからといって、全ての人に同じようなストレス反応が出るとは限りません。
ストレス耐性
ストレスへの反応の仕方には個人差があります。
特にストレス耐性(ストレスに適応できる力)が高い方は、大きなストレッサーがあってもストレス反応を極力小さくすることができます。
ストレス耐性は、生まれつきの気質や性別、年齢、体質、学力、経済力、ストレスへの対処スキルなどによって決まります。
ストレスと病気の密接な関係
ストレスを受けると、そのストレスに対抗するために、人の体にもともと備わっている防御反応が起こります。
例えば、人は強いストレス刺激を受けると血圧が上がったり、脈が速くなったりしますが、これは、交感神経が優位になり、血管が収縮するためです。
つまり、体が戦闘モードに入ったということですね。
また、ストレスを受けると、副腎から抗ストレスホルモン(コルチゾール)が大量に分泌されます。
そしてこのコルチゾールは、体の様々な臓器に作用して、血糖値を上げたり、血圧や心拍数の上昇を引き起こします。
こういった状態が長く続くと今度は、心身に不調が現れます。
例えば、女性だと冷えや月経のトラブル、肌荒れ、抜け毛などで、もっと悪くなると肥満や心臓病、糖尿病などの生活習慣病のリスクも高めてしまいます。
また、コロナの関係もあり近年増えているのが、ストレスが引き金となる「心身症」です。
代表的なものには、過敏性腸症候群、アトピー性皮膚炎、偏頭痛、うつ病などがあり、早めにきちんと治療する必要があります。
ストレスマネジメント
現代社会では、ストレスを完全に無くすことは、相当難しくなっています。
ですので、ストレスとどううまく付き合って行くかを考える「ストレスマネジメント」が大事になってきます。
ストレスマネジメントでは、ストレス耐性を高めることと、回復力を高めることを目指します。
ストレス解消は日々の生活の中で
ストレス解消には、気晴らしの旅行なども良い方法ですが、それよりも毎日の生活の中でこまめに解消し、回復する方法を見つける方がより良いようです。
例えば、
- こまめにストレッチをする
- 甘いものを食べる
- 屋外で体を動かす
- 親しい人と話してたくさん笑う
- 趣味に没頭して日常を忘れる
- ストレスに良いハーブティーを飲む
などです。
まずは、ストレスを自覚することからはじめ、ストレッサーへの対処を身につけて、少しずつストレス耐性を高めていきましょう。
くるみ便りより