爪は健康のバロメーター

最近、でこぼこしている、割れやすくなったと変化を感じることはありませんか?爪はお肌と同じく、健康状態によって変化が起きます。

今月は、爪にまつわることをまとめてみました。

爪の構造

爪は皮膚の角質層が硬く変化したもので、皮膚や髪の毛と同じく、タンパク質の一種である「ケラチン」でできています。

また、1枚に見える爪ですが、実は3枚の薄い爪が重なってできています。繊維状のケラチンが、縦方向、横方向、縦方向の順に重なることで、硬さと柔軟性を兼ね備えています。

 

健康な成人は、手の爪は1日に約0.1㎜、足の爪はその半分の約0.05㎜伸びると言われています。爪が生え変わるのに、手の爪は約半年、足の爪は約1年かかります。爪は冬より夏の方が速く伸びるそうです。

爪のトラブルの例

縦に線が入っている

主な原因は加齢と乾燥。

横に線が入っている

爪を根元で固定している皮膚へのダメージ(栄養障害や外傷)などが原因。

爪が反り返っている(スプーンネイル)

爪の両側を短く丸く切り過ぎている、指先に力が入る仕事をしている、鉄欠乏性貧血などが原因。

爪の色(健康な爪は薄いピンク色)

▶︎ 濁っている

爪水虫(爪白癬)が考えられる。

▶︎ 黒くなる

爪の下の内出血、爪のほくろなど。まれに悪性黒色腫(メラノーマ)がある。

▶︎ 白い斑点がある

軽度な外傷、爪の成長異常などが原因。爪が伸びるとともに移動し、爪を切ると消えるため、多くの場合放置しても問題ない。爪水虫との区別がつきにくい場合は皮膚科を受診しましょう。

二枚爪(爪の先端の表面が、薄く層状にはがれている状態)

爪の水分量の低下や栄養不足、外部からの衝撃などが関係している。

巻き爪

間違った爪切りの仕方、足に合わない靴を履いている、歩き方、外反母趾の影響などが原因として考えられる。

健康な爪への対策と予防

✅ 原因になっている病気の治療

爪水虫や巻き爪など、爪の病気が原因の場合は皮膚科を受診しましょう。鉄欠乏性貧血など、全身性の病気が原因の場合は、内科など、それぞれの病気を扱う医療機関を受診しましょう。

✅ 栄養バランス

栄養バランスの良い食事を心がけましょう。特に、爪の主成分のタンパク質や、ビタミン類、ミネラル類(鉄分、亜鉛)を意識して摂取しましょう。

✅ こまめな保湿

ハンドクリームやネイルオイルで、こまめに保湿しましょう。特に、手を洗った後やアルコール消毒をした後は乾燥しやすいので、保湿を心がけるといいですね。

✅ 爪にやさしい生活

爪の先でラベルをはがす、パソコンのキーボードを強くたたくなど、爪を道具のように使うことは、爪のトラブルの原因になります。指の腹や道具を使いましょう。

✅ 爪の切り方

爪が柔らかくなっているお風呂上がりが、爪を切るのに良いタイミングです。

爪の形は、スクエアオフが爪に負担が少ない形です。爪と指の長さが同じくらいになるのが理想的な長さです。爪の白い部分は少し残しましょう。爪切りを使わずに、エメリーボードなどで長さを整えると、爪への負担がより少なくなります。

爪切りで爪を切った後は、ヤスリでなめらかに仕上げるのがおすすめです。

どのトラブルも、爪を見ただけでは正確な病気の診断まではできません。健康に不安がある方は、医療機関を受診しましょう。

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竹村 勝樹

くるみ薬局の薬剤師。蟹座のA型。奈良県出身ですが、今は山口県光市で妻と子供3人と猫2匹に囲まれながら暮らしています。趣味は読書と読書で得た知識をもとにアイデアを考えること。薬局らしくない薬局をモットーにこれからも地域の皆様に愛される薬局を目指して頑張ります。