栄養ドリンクの選び方
新年度が始まりましたね。
進級、進学、新社会人…新しい環境が始まる皆さんと、支えるご家族の皆さん、無理せず少しずつ頑張っていきましょう!
春は何かと忙しく、季節の変わり目ということもあって、だるさや疲れを感じやすい方も多いと思います。
疲れているけど休めない、そんなときに頼りたくなる栄養ドリンク。
今月は栄養ドリンクの効果や注意点などについてまとめました。
栄養ドリンクの種類
医薬品
有効成分が配合されていて、「滋養強壮」「栄養補給」などの効能・効果が記載できるもの。
成分の配合量について表示の義務があり、服用量も定められている。薬局や薬店でのみ販売が可能。
医薬部外品
医薬品に準ずるものとして、効能が認められた成分が配合されているもの。
医薬品よりも作用が穏やか。
清涼飲料水
嗜好品。
主としてカフェインやビタミン、アミノ酸などを含み、値段も手軽でおいしく飲めるように作られている。
「疲労回復」「体力増強」などの効果は表現できない。
エナジードリンクは清涼飲料水。
栄養ドリンクの代表的な成分
ビタミンB群
エネルギー代謝に広く関係するビタミンで、疲労の回復などを助ける。
栄養ドリンクにはビタミンB1、B2、B6が含まれていることが多い。
水溶性のビタミンなので、1回で大量に摂取しても体外に排出されるため、毎日継続して食事などから摂取することが望ましい。
アミノ酸
たんぱく質の材料。
体の中で作ることができるアミノ酸と、作れないアミノ酸(必須アミノ酸)がある。
壊れた筋組織の修復や疲労回復のサポートが期待できる。
生薬
植物・動物・鉱物などの中で、薬効があるとされる部分を加工したもの。
漢方薬を構成する原料。
タウリン
たんぱく質が分解される過程でできるアミノ酸に似た物質。
貝類やイカ・タコなどの軟体動物に多く含まれている。
心臓や肝機能を正常に整える作用があり、筋肉の疲労やダメージ軽減の効果が期待できる。
カフェイン
コーヒーや紅茶、緑茶などに多く含まれている。
覚醒効果(眠気覚まし)、集中力の向上、疲労回復、利尿作用、体脂肪燃焼の促進などの効果があると言われている。
カフェインを過剰に摂取して中枢神経が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気などの健康被害をもたらすことがあるため、食品からのカフェインの摂取に関しては注意喚起等がなされている。
*国内では、厚生労働省、農林水産省からエナジードリンクの過剰摂取の注意喚起が出されています。医薬品・医薬部外品であれば用法・用量が定められているので、適正に使用すれば過剰に摂取することはありません。
カフェインの影響は個人差が大きいことから、1日あたりの摂取許容量は日本においても国際的にも設定されていませんが、健康な成人の場合、1日最大400mg(コーヒー3杯程度)までが推奨されています。
飲み合わせに注意!
例えば風邪をひいたとき、早く治したいから風邪薬と栄養ドリンクを一緒に飲む、という方もいると思います。
風邪薬の中には、カフェインを含んだものもあるため、カフェイン入りの栄養ドリンクを飲むとカフェインの過剰摂取になってしまうことがあります。この場合は「ノンカフェイン」の栄養ドリンクを選ぶと良いでしょう。
また、栄養ドリンクの中には少量のアルコールを含んだものもあります。
アルコールとの併用で、薬の効果・副作用が増強してしまう可能性があるため「ノンアルコール」の栄養ドリンクを選びましょう。
その他には、栄養ドリンクに含まれている生薬と薬との飲み合わせが良くない場合もあります。
服用中の薬や持病がある方は、栄養ドリンクとの飲み合わせを薬局やドラッグストアで薬剤師や登録販売者に相談のうえ購入することをおすすめします。
栄養ドリンクが毎日必要と感じる時は、休息をとるなど日常生活の見直しをしましょう。それでも体調が回復しないときは病院の受診をおすすめします。
栄養を効率良く摂取したいときは「食後」、疲労回復を期待するなら「就寝前」、疲れが取れないときは「起床時」など、目的に合わせたタイミングを選ぶのも大切です。