あなたの鼻づまりの原因はどれ?
ある調査会社が行った鼻づまりに関するアンケートで、回答者に1年のうち鼻づまりを感じる期間がどのくらいあるかを尋ねたところ、実に62.5%もの人が、2週間以上『鼻づまりを感じている』と回答しました。
年代別で見てみると、2週間以上『鼻づまりを感じている』割合は20代で合計70.6%、30代で合計59.9%、40代で合計56.9%と、若い世代ほど鼻づまりを感じる期間が長い傾向があることがわかりました。
また、そのうちの36.2%は鼻づまり症状の改善対策を『していない』という実情があるそうです。
鼻づまりがもたらす弊害
あなたも経験があると思いますが、鼻づまりがあると、頭がぼうっとする、頭が重く感じる、集中力がなくなるなど、日常生活に様々な影響を及ぼすことになります。
ひどくなると、
- いびきの原因になる
- 不眠になる
- 生活の質が低下する
- 口呼吸になる
- においを感じにくくなる
などの原因になることも。
もちろん、個人差はありますが、慢性的な鼻づまりの場合、勉強や仕事のパフォーマンスが大きく落ちることもあるようです。
また、風邪をひきやすくなったり、体調を崩しやすくなったり、イライラが続くことでうつ状態を引き起こすことも考えられます。
鼻づまりの原因になる病気
鼻づまりの原因になる病気は、非常に多くあります。
風邪やインフルエンザ、花粉症などのアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎が代表的ですが、他にも鼻茸や鼻中隔湾曲症、骨折、がんなどが挙げられます。
子供の場合はアデノイドや異物混入などが代表的です。
鼻づまりのメカニズム
鼻がつまっている時、鼻の中では何が起こっているのでしょうか?
一言で言うと、”鼻腔内が狭くなって、空気の通りが悪くなっている”
という当たり前のことが起こっているのですが、鼻腔内が狭くなる理由は様々です。
急性鼻炎
風邪などでウイルスにより、一時的に鼻の粘膜に急性の炎症が生じている状態です。
鼻の粘膜が腫れていることが原因で、鼻がつまります。
アレルギー性鼻炎
風邪と同様、鼻の粘膜に炎症が生じ、鼻腔内が狭くなることに加えて、鼻水が鼻腔内に溜まることで、より鼻腔内の空気の通り道が狭くなってしまいます。
副鼻腔炎
鼻や眼を取り巻くように存在している複数の骨の空洞を「副鼻腔」と呼びます。
風邪をひいたときの急性鼻炎などが原因で、粘膜の炎症が鼻腔から副鼻腔にまで広がってしまうと、急性副鼻腔炎が発症します。
副鼻腔炎が発症すると、骨の奥にある空洞に膿が溜まって鼻がつまる原因になります。
そして、3ヵ月以上膿が溜まり続けると慢性副鼻腔炎になり、慢性的に鼻がつまった状態になります。
また、副鼻腔の骨の中の粘膜や鼻粘膜が炎症で弱くなると、粘膜が腫れ、鼻茸(ポリープ)ができます。
鼻茸は薬で完全に消失する事はほとんどなく、手術による摘出が必要になります。
軟骨や骨の異常
鼻中隔の生まれつきの湾曲や、成長に伴う湾曲、他にも鼻骨骨折による湾曲が、鼻づまりの原因となります。
ただ、小児では70%、成人になると90%の方に鼻中隔の湾曲が見られますから、曲がっていることが普通と言えるかもしれません。
湾曲が強く鼻炎や副鼻腔炎になりやすかったり、鼻づまりがひどい場合は、湾曲部の骨や軟骨を除去する手術が行われます。
鼻腔内の異物
ティッシュの切れ端などが鼻腔内に残っていることで、鼻がつまることがあります。
他にも食事中、くしゃみをした拍子に、米粒などが鼻腔に入ってしまうことも。
特に幼児の場合は、親が気付かない間に思いもよらないものを詰めていることは珍しくありません。
異物としては、綿、紙、小石、ビーズ、豆、昆虫、ボタン電池などがあるようです。
異物が入ったまま放置すると、炎症を起こし、強い鼻づまりや悪臭を伴った汚れた鼻水が出てきます。
鼻腔内の異物が疑われるときは、無理に取ろうとせず、早めに耳鼻咽喉科を受診してくださいね。
寒暖差
冬の寒い屋外から温かい室内に移動したときに鼻がつまる経験をされた方も多いのではないでしょうか?
急激な温度差が原因で鼻の粘膜が過敏になり、腫れてしまうことがあります。
この鼻炎は血管運動性鼻炎といって、鼻の粘膜の血管が膨らむことで、粘膜自体も腫れてしまうという現象です。
もちろん冬だけではなく、夏でも温度差が激しいと、このような鼻炎症状を起こすことがあります。
くるみ便りより