紫外線やマスクも原因になる!?〜口唇ヘルペスのギモンを解決〜
日本人の70〜80%が感染していると言われるヘルペス。
僕の周りにも口唇ヘルペスの不快な症状に悩まされている人がたくさんいらっしゃいますので、今回はヘルペスウイルス(特に口唇ヘルペス)を取り上げることにしました。
単純ヘルペスウイルス
単純ヘルペスウイルスには1型(HSV-1)と2型(HSV-2)の2つの型があります。
この2種類のウイルスは感染後に潜伏する場所が異なります。
1型は頭部の神経・2型はお尻周辺の神経に潜むため、1型は口唇ヘルペス、2型は性器ヘルペスとなることが多いと言われていましたが、最近では明確に区別できなくなってきているようです。
ちなみに帯状疱疹や水痘もヘルペスウイルスの一種ですが、単純ヘルペスとは違います。
口唇ヘルペスとは?
口唇ヘルペスは、くちびるやその周りにピリピリ、チクチクするような違和感やかゆみが生じた後、軽い痛みを伴う水疱ができる病気です。
子供が風邪をひいて熱を出した後によくできるので、「熱の華」とか、「風邪の華」と呼ばれており、こちらの呼び名の方がピンとくる方も多いかもしれません。
よくできる部位は唇の周りですが、目の周りや鼻の中、頬にできることもあります。
感染はほとんどが幼少期
口唇ヘルペスの初期感染は生後6ヶ月〜3歳くらいの幼少期が多く、親や祖父母からの頬ずりやキスなどによる「接触感染」という経路が多いといわれています。
感染したことに気づかない場合がほとんどですが、場合によっては高熱と強い痛みを伴う重い症状になることもあるため、注意が必要です。
ただ、幼少期に感染していなくても、大人になってから感染するリスクもあります。
ヘルペスウイルスは空気感染はしませんが、ウイルスに直接触れる接触感染や、くしゃみや咳などの飛沫感染の可能性はあります。
さらに物を介して感染することもあるので、口唇ヘルペスの水疱の症状が出ている時は、他の人とタオルやコップなどを共有しない方がいいでしょう。
再発しやすい口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、症状が出ていない時もウイルスが全ていなくなるわけではなく、神経の中でずっと潜伏しています。
そして疲れた時や発熱時などの免疫が落ちているとき、強い紫外線に長く当たったときなどをきっかけに発症します。
感染した人のうち約10%(10人に1人)が発症すると言われていますが、その頻度はまちまちで、多い人だと年に10回も繰り返すこともあるようです。
また、コロナ禍で着けることが増えたマスクですが、そのマスクが口唇ヘルペス悪化の原因になることもあるようです。
口唇ヘルペスがマスクに擦れると水疱が破れ、浸出液がマスクを伝って唇の別の場所に移動します。
そして治り切る前に、新たにヘルペスが発症するというのがその理由です。
治療の第一選択は抗ウイルス薬
最善の治療は、抗ウイルス薬の飲み薬や塗り薬を使用することです。
何もせず放っておいた場合、数日で水疱はなくなりになって痛みを感じますが、それもすぐに良くなることがほとんどです。
ですが、中には水疱が広がって二次感染を起こしたり、黒ずみのような痕が残ったりすることがありますから、特に年に何度も繰り返す方は耳鼻科や皮膚科を受診したほうがいいですね。
症状が軽い方なら、薬局で販売している口唇ヘルペスの塗り薬(商品名:アクチビア軟膏、アラセナSクリームなど)でも充分効果的です。
唇がヒリヒリ・ムズムズし始めたら躊躇せず塗り始めるのが、早く治すコツです。
口唇ヘルペスの予防
一度ヘルペスウイルスに感染すると特殊な治療をしない限りウイルスが体の中からなくなることはありません。
ですが、症状が出ないように予防することはできます。口唇ヘルペスの不快な症状に悩まされないためにも、普段から予防することが大切です。
- 紫外線をできるだけ避ける
- 規則正しい生活を送る
- 風邪など体調が悪い時はよく休む
- ストレスを溜めない
- 女性の場合、月経前は無理をしない
人によっては体調のバロメーターにもなっている口唇ヘルペス。
頻繁に発症する時は、頑張りすぎて疲れた身体からの「休みましょう」のSOSかもしれませんね。
くるみ便りより